今はただ彼の冥福を。

研究室の仲間が亡くなった。あまりにも突然すぎて、何も出来なかった。もっと早く見舞いに行けばよかったのに。彼の体調の異常に気付くべきだったのに。何も、何も、何も出来なかった。私は。何か出来ると思っていたわけではなかったけれども。何故、こんなにも簡単に、急に、あっけなく。意味の分からない恐怖と悲しみばかりが支配して、愚かしいほど泣いてしまった自分が無意味だった。

今の私に出来ることは、彼の存在を忘れたくない、忘れないように生きたいと願うこと。彼が、ゆっくり眠れるように、祈ること。いつものように、研究室から帰ろうとする彼に、一言、声を掛けてあげたいと、そう願ってしまう。

おつかれさま。